中高年になると膣のゆるみで悩みを持つことは仕方がないことです。なぜなら膣のしまりは筋肉によって生まれるので、加齢で筋力が衰えるとゆるくなってしまうからです。しかし膣のゆるみは、婦人科クリニックなどの医療機関である程度治すことができます。膣を鍛える膣トレでも効果が出なかったら、次のステップとして治療を検討してみてはいかがでしょうか。
なぜ膣のゆるみを治したほうがよいのか
膣のゆるみを「もう年だから」とあきらめる必要はありません。なぜなら膣のしまりは、膣の周辺にある骨盤底筋という筋肉によって生まれるからです。中高年になると筋肉が衰えますが、筋トレによってある程度回復させることができます。また骨盤底筋についても、膣は鍛えることができます。しかしクリニックにかかってまで、膣のゆるみを治療する必要があるのでしょうか。膣のゆるみは生活や性交に支障を生むことがあるため、治した方がよいでしょう。
尿漏れを予防、改善できるから
悩みの1つとして、立ち上がったタイミングや座ったタイミングなどで発生する尿漏れを予防・改善として、膣のゆるみは直した方がよいといえます。年齢を重ねた女性で尿漏れに、悩んでいる方は珍しくありません。膣がゆるんでいると、どうしても抑える力が弱くなっていることが原因です。現在でも尿漏れが気になっているなら膣のゆるみを治せば解消される傾向にあります。
膣脱を予防できるから
膣脱とは膣筋肉が低下することによって、骨盤内にある臓器が膣や肛門から脱出してしまう症状です。本来であれば膣周りの筋肉が支えてくれていますが、膣脱してしまうと日常生活にもさまざまな悪影響が生まれます。場合によっては、複数の臓器が脱出してしまう可能性のあるので注意しましょう。
性交の快感の回復が期待できるから
膣がゆるんでいる状態では男性器を十分に刺激することができず、女性側も男性側も十分な快感を得られない可能性があります。膣の締まりを取り戻すことによって、性交の快感の回復が期待できるでしょう。性交の快感を回復させればパートナーとの関係の改善にもつながります。また膣の締まりは、セックスを繰り返せば解消されていく可能性も高いです。
医療機関が提供する膣のゆるみ治療
婦人科クリニックなどの医療機関が提供する、膣のゆるみの改善が期待できる治療を紹介します。医療機関が提供する膣のゆるみ治療は以下のようなものです。
- ヒアルロン酸注入
- 膣を縮小させて手術
- 高周波治療
- レーザー治療
- ホルモン剤の使用
自分の状態などに合わせながらどの治療方法を選択するか考えて、膣のゆるみについて気になるなら治療についても視野に入れて考えることが大切です。一つ一つのゆるみ治療について解説するので参考にしてみてください。
ヒアルロン酸注入
膣内にヒアルロン酸を注入することで膣壁に厚みを持たせて、膣内部を狭くして物理的にゆるみを解消する方法です。ダウンタイムも短いことから施術直後から効果が発揮できます。また、ヒアルロン酸注入は複数回おこなうことで継続的に膣壁に厚みを持たせることが可能です。ただし、異物注入に当たることからリスクについても把握しておきましょう。
膣を縮小させる手術
膣を縮小させる手術によって膣内部を狭めますが、さまざまな手術方法が合って女性の希望などに合わせて適切な方法を医師から提案されます。また、お産をしているかお産をしていないかによっても適切な方法は異なるため、医師との相談が大切です。具体的な施術費用などについては手術内容などによって異なるので先に確認しておきましょう。
高周波治療
高周波治療では膣を傷つけることなく膣のゆるみを治せる方法といえ、高周波を当ててコラーゲンを再構築して膣の締まりを改善します。また、異物注入をおこなわないので比較的身体に対してのリスクは低いといえるでしょう。膣の状態などに合わせて適切な処置をおこないます。
レーザー治療
レーザー治療でも膣の中にレーザーを当てることで、膣内のコラーゲンを活性化させて膣壁を豊かにしてゆるみを改善する方法です。ハリを失っている膣壁を若い時の状態に近づけられるでしょう。比較的リスクが抑えられるだけでなく、効果とリスクのバランスが良い方法といえます。
ホルモン剤の使用
更年期で膣の潤いが失われた場合などに使用される方法であり、膣は女性ホルモンの分泌量が減少して膣のハリなどが減少することが一般的です。ホルモン剤を使用することで女性ホルモンの分泌量を増やします。しかし、他の方法と比較した場合に効果はそれほど大きくありません。
軽症なら膣トレがよいかも
膣のゆるみによる支障が小さく、「まだクリニックにかかるには抵抗がある」と感じている方には、膣のしまりをつくる骨盤底筋を鍛えるトレーニング「膣トレ」がおすすめです。自宅や職場で誰にも気づかれずに行えるものもあります。内容も簡単なものが多いことから、膣トレ方法を知っておけば空き時間を見つけておこなうことが可能です。また、道具を使用すればさらに効果的な膣トレもできるので状態によっては道具の使用も良いでしょう。具体的な膣トレ方法などについて解説していきます。
「膣をキュッ」で筋力が回復する
膣を締める動作を繰り返すことで筋力は回復するため、意識的に普段から膣を締める動作を繰り返すのがおすすめです。どこでも手軽におこなえることから、移動中や家事中などにもおこなえます。セックスを繰り返すと膣がゆるむといわれますが、実際にはセックスをしたほうが膣を締める動作をするため締まりが良いです。パートナーが協力してくれるならセックスを積極的におこなっても良いでしょう。意識的に膣を締めながらセックスをすればさらに効果は大きくなるため意識することが大切です。
膣ボール
膣ボールを活用して膣トレをおこなう方法もあり、サイズ感や重量がそれぞれ異なっています。初心者の場合は小さめで軽いものから初めて、慣れれば大きくして重量を重くするとよいでしょう。最初から無理をして大きくて重たい膣ボールを使用すると、効果的なトレーニングができません。挿入に痛みを感じてしまう大きさや重量の使用は避けることが大切です。また、膣ボールによってはトレーニング用の振動をするものもあります。注意点としては一度使ったらしっかりと洗って衛生面には気をつけてください。衛生面が悪い状態で使用すると細菌などが繁殖して炎症などの原因になります。
膣圧を計測するアプリ
膣ボールの中にはアプリと連動して膣圧を計測できる商品もあるため、実際の自分がどれくらいの膣圧か知りたい方は利用してみましょう。膣圧を計測するアプリは客観的に膣圧が把握できるため、膣トレには効果的です。膣圧が計測できるものはさまざまあり、自身に合うものを探してください。また、数値で膣圧が高まっていくのを確認できれば、モチベーション維持・向上にも効果的です。アプリによっては膣圧を記録できるものもあるのでいくつか比較して判断しましょう。
まとめ
膣のゆるみは加齢によるもので仕方がないとあきらめないでください。まずは膣トレを試してみましょう。それでも効果が出なかったら、医療の力を借りることができます。膣のしまりを回復できれば、性生活をより一層楽しめるようになります。性生活の充実はパートナーとの関係性を深めるためにも重要な部分もあるでしょう。膣のゆるみに悩みがあるなら膣トレや医療の力を借りることがおすすめです。