「まだ30代なのに膣のゆるみが気になる」「夫に膣がゆるいと思われたくない」このような悩みはありませんでしょうか。本記事では、30代でも膣がゆるむ原因やその予防方法を紹介します。
また、膣がゆるんでいる時にみられるサインや膣のゆるみに対する治療方法を詳しく解説します。
目次
膣のゆるみを予防する膣トレーニング
膣トレーニングは、女性器周辺の筋肉を鍛えることで膣のゆるみを予防する効果があります。
また、継続することで膣のゆるみを改善できる可能性もありますが、個人差があるため十分な効果が得られない場合もあります。まずは3ヶ月間、トレーニングを継続してみましょう。
膣トレーニングとは
膣トレーニングは「骨盤底筋トレーニング」や尿漏れ対策に効果的な「ゲーゲル体操」と同じ意味で使われることが多く、いずれも骨盤底筋という筋肉を鍛えるトレーニングです。
骨盤底筋は子宮や膣、腸などを骨盤の底面から支える役割をもっており、膣のしまり具合にも大きく関与している筋肉です。また、膣のゆるみを予防する以外にも尿漏れの予防や改善をする効果が期待できます。約6週間継続することで効果を感じられますが、トレーニングの回数や質によって個人差があります。
膣トレーニングで意識すること
膣トレーニングを行う上で大切なのは、「骨盤底筋を正しく動かすイメージ」をしっかりつかむことです。骨盤底筋は自分の意思で動かせる随意筋と、自身ではコントロールできない不随意筋が混在しています。そのため、骨盤底筋を意識してトレーニングを行わないと、トレーニング効果が軽減します。骨盤底筋を正しく動かすには、以下のことをイメージしてみてください。
・排尿の途中で尿を止めるように力を入れる
・オナラが出そうな時に肛門をキュッと締める
この2点を意識することで骨盤底筋を正しく動かすイメージがしやすくなるため、トレーニング効果が向上します。
膣トレーニングのやり方
膣トレーニングの具体的な方法を紹介します。
1. 仰向けになり、両足を肩幅に開いて膝を立てます
2. 「尿を途中で止める」「オナラをがまんする」イメージで骨盤底筋を締めたりゆるめたりを3回繰り返します
3. 次に、息を吐きながら骨盤底筋を収縮させ6〜8秒間保持します
4. 6秒間休憩
5. 3と4を8〜12回繰り返し行うのを1セットとし、3セット行います
上記のトレーニングを約6週間継続すると膣のゆるみが徐々に改善されていきます。3ヶ月以上経過しても効果が感じられない場合には、根本的な治療が必要なため専門の医療機関に相談することをおすすめします。
30代で膣がゆるむ原因で多いのは出産によるもの
膣のゆるみは加齢が原因となることが多いですが、30代でも出産により膣がゆるむことがあります。
ここでは、膣がゆるむ一般的な原因5つを紹介した上で、出産が膣のゆるみに影響する理由を詳しく解説します。
膣がゆるむ原因5つ
膣がゆるむ一般的な原因としては、以下の5つが挙げられます。
・加齢により女性ホルモンが低下し、膣の弾力がなくなる
・運動不足により骨盤底筋が衰える
・肥満により骨盤を支える骨盤底筋への負荷が増え、骨盤底筋が引き伸ばされる
・便秘により「いきむ」ことが増え骨盤底筋を痛めてしまう
・出産により膣壁が引き伸ばされて膣がゆるくなる
30代での膣のゆるみは出産が影響している
赤ちゃんが産道を通って生まれてくる経膣分娩を経験すると、膣がゆるむ可能性があります。ただし個人差があるため、出産を経験すると必ずしも膣がゆるむとは限りません。膣の壁は弾力性のある筋肉であり、通常は膣を引き締めています。
しかし、出産により産道が大きく開くことで骨盤底筋が損傷する場合があります。そのため膣を引き締める働きが弱くなり、膣のゆるみに繋がるのです。このように出産は、30代と比較的若い年齢であっても膣がゆるんでしまう大きな原因になります。
低用量ピルを長期間服用している場合も注意が必要
低用量ピルを長期間服用している場合、低エストロゲンの状態になっている可能性があります。低エストロゲンの状態では、コラーゲンが減少し厚みのない膣壁になるため、空洞化が進み膣の奥がゆるいといった症状を引き起こします。
乾燥や萎縮による性交痛を引き起こす場合も
コラーゲンが減少すると、ゆるみだけでなく、潤い不足を引き起こすため、行為中に乾燥している、ヒリヒリするといった性交痛の症状も見られます。更に膣粘膜が薄くなると膣の萎縮を引き起こし、傷つきやすくなるため、行為中に出血がみられる場合もあります。
よく若い方で、濡れなくて痛いのは、ゆるくて感じにくいからなのではないか、と不感症のお悩みで相談される方もいますが、原因は不感症ではないことも多く、ゆるい、濡れないといった掛け合わせの場合が多いです。
膣がゆるいかどうか判断する方法
「そもそも自分の膣はゆるいのだろうか」このように膣のゆるみが気になっても、自分で判断するのは容易ではありません。そこで膣がゆるんでいる時のサインを紹介します。
また、専門の医療機関等では膣圧測定器を用いて膣のゆるみを判断することができます。
膣がゆるんでいるサインをもとに判断する
日常生活を送る中で、膣がゆるんでいるサインを確認できます。
・性行為の満足度低下(濡れにくくなり痛みを伴うことが増える)
・軽い尿漏れ
・膣に空気が入り、膣なら(ちなら)が出る
・お風呂上がりに膣からお湯が出る
・膣に違和感や圧迫感がある(骨盤臓器脱の症状)
膣圧測定器で計測し判断してもらう
上記で紹介した日常生活でみられるサインは、別の疾患の影響の可能性があるため膣のゆるみを正確に判断するのは困難です。しかし専門の医療機関等では、膣圧測定器を用いて膣のゆるみを判断できます。
測定する際は、痛みや苦痛など身体への負担はほとんどありません。当院でも約10分程度で膣圧測定器を用いた測定ができます。お気軽にご相談ください。
当院でのゆるみの診察方法について
当院では、豊富な治療法の中から患者様一人ひとりに最適な方法をご提案いたします。そのため診察では、患者様の膣の状態を詳細に把握するために、様々な観点から丁寧にチェックいたします。
ヒアリング
まず何が一番困っているか、何がお悩みかをしっかり伺います。具体的に何も悩みはないが今後のためにケアをしたいという理由でも構いません。お悩みに対して最短で最も効率的に解決が出来るようにアプローチします。
様々な項目で膣の状態を診察
セルフチェックでは見ることができない詳細な部分までチェックし、膣の状態を確認します。
チェック項目
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- 膣の弾力
- 帯下(おりもの)の分泌量
- 粘膜の強度
- 粘膜の色 etc.(上記などから膣の健康度合いをスコア化)
- 筋肉の動き
- 血流
- 尿道のぐらつき(尿漏れがある場合にはICIQ*1によるスコア化)
- Gスポットの感度
*1:International Consultation on Incontinence Questionnaire-Short Form(国際尿失禁会議質問票)
診察の上複合的に判断し、最も適した治療をご提案
このように詳細な項目で診察を行ない、患者様の膣の状態を理解したうえで、ご予算や許容可能なダウンタイム、日常生活やお仕事での体の動かし度合い、性生活の頻度、パートナーとの関係性なども治療法の選択に考慮致します。
「30代でも要注意」膣のゆるみを放置してはいけない理由
日常生活にそれほど影響がないからといって膣のゆるみを放置しておくと、骨盤臓器脱という婦人科疾患を発症する可能性があります。
骨盤臓器脱とは
骨盤臓器脱は、骨盤内にある子宮や膀胱、直腸の位置が正常の位置から下がり、膣の入口から外に出てしまう疾患です。通常であれば子宮や膀胱、直腸などの骨盤内臓器は骨盤底筋を含む筋肉や靭帯によって支えられています。
しかし、筋肉の損傷や衰弱により支えきれなくなると骨盤内にある臓器が外に出てしまうのです。骨盤底筋の異常が原因で起こる膣のゆるみを放置しておくと、骨盤臓器脱を併発する可能性があります。
膣のゆるみを治療する方法
膣のゆるみを治療するには専門の医療機関で治療を受ける必要があります。治療方法は大きく分けて手術とレーザー治療の2種類があります。
確実に治療するなら膣縮小手術
膣縮小手術は、ゆるんだ筋肉を寄せて膣のゆるみを改善する外科的な方法です。生まれつき膣の広い方や、明らかな膣のゆるみを認める方におすすめの治療方法です。
ゆるんだ筋肉を切開し、縫合するため、膣のゆるみを根本的に改善できます。手術は麻酔を用いて行うため痛みを感じることはありません。また、カウンセリングの当日に手術をすることも可能です。遠方からの来院を検討されている方でも治療を受けられます。
詳しくは「膣縮小手術」を参考にしてください。
ニーズに合わせたインティマレーザーやヴィーナスハイフなどのマシンによる治療
「身体にメスを入れるのは抵抗がある」「手軽に治療をしたい」このような方にはインティマレーザーやヴィーナスハイフなどのマシンによる治療がおすすめです。インティマレーザーやヴィーナスハイフなどのマシンによる治療では症状やニーズに合わせて6種類の機器の中から施術方法を選択します。
どの機器を用いても痛みをほとんど感じることはありませんが、感じ方には個人差があります。
患者様の膣の状態にあった治療をご提案いたします。
詳しくは治療のページで解説しております。
まとめ
膣は、30代と比較的若い年齢であっても、出産などが原因でゆるむことがあります。膣のゆるみに効果があるとされている膣トレーニングは、膣のゆるみに対する予防や改善効果が期待できますが個人差があります。
膣のゆるみを根本的に改善するためには、専門の医療機関でカウンセリングを受け、適切な治療を受ける必要があるでしょう。
当院では女性医師が、専門的な視点から患者さま一人ひとりに寄り添った治療を提供しています。膣のゆるみで悩んでいる方は、当院にぜひご相談ください。
記事監修者
美容婦人科の先進国であるアメリカ、ビバリーヒルズにおいてレーザーによる膣の引き締め手術やレーザーを用いた女性器形成のライセンスを日本人女医として初めて習得。日本人向けに改良すると共に、より専門的に女性特有のお悩みを解決するため美容婦人科専門クリニックを開業。