更年期や50代の膣のゆるみは気のせいではなく、具体的な原因があるケースが多いです。医学的には「膣圧が低下する」と表現します。膣がゆるむとさまざまな支障が出てきます。女性が抱えつ悩みとして尿漏れにつながることや、性交において快感が得づらくなるという報告もあります。この記事では、膣のゆるみによる支障や、これが起きるメカニズムと原因、そして改善するための対処法について解説します。膣のゆるみは加齢によるところが大きいので、特に50代必見の情報を提供します。
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目次
膣がゆるむことで起きる障害
膣のゆるみは病気でないため、例えば「膣圧が○kg以下だと異常だと」といった診断は下りません。ただ、膣がゆるむことで生活や排尿や性交に支障が出たら、対処したほうがよいでしょう。膣のゆるみによる障害には次のようなものがあります。
- 膣のゆるみによる障害
- 尿漏れ
- お湯漏れ
- 性交での快感の得られにくさ
- 膣脱
膣のゆるみは自分自身で感じる不調だけではなく、パートナーとの性交などにも影響が出てしまうケースは珍しくありません。膣がゆるむことで、起きる支障について1つずつ解説します。
尿漏れ
膣圧が低くなってしまうと尿道や膀胱を支えるための筋力が弱くなるため、ふとしたタイミング尿漏れがしやすくなります。他にも尿道括約筋と呼ばれる筋肉も尿漏れには大きく影響しているのが特徴です。座ったり立ったりの動作で尿漏れが起きるケースやくしゃみなどの拍子に起きてしまうケースも考えられます。
お湯漏れ
お風呂やプールなどに入った後に膣内に侵入した水が漏れてしまう現象であり、お湯漏れがするようになっている状況は膣がゆるみ始めている証拠です。お湯漏れは後から下着などを汚してしまう原因にもなるので注意しましょう。
性交での快感の得られにくさ
膣がゆるんでいる状態では男性器を十分に刺激することができず、男性器は膣内で締め付けられて擦れることで刺激が与えられます。膣圧がゆるんでしまっていると与えられる快感も少なくなるのは避けられません。性交での快感を男性側も女性側も十分に得るには膣圧が重要です。膣圧が高くなれば、ある程度自分自身で締まりの強さをコントロールできるようになります。
膣脱
膣脱とは膣筋肉が低下することによって、骨盤内にある臓器が膣や肛門から脱出してしまう症状です。骨盤底筋などで内臓は本来支えられています。しかし膣脱では、臓器が本来の位置からずれてしまうことによって体調などにも悪影響が出ます。悪影響として挙げられる尿漏れや、座った際の違和感などにもつながるので注意しましょう。
膣がゆるむメカニズムと原因
- 膣がゆるむ原因(加齢以外)
- 出産
- 運動不足
- 性交の回数が減ること
- 女性ホルモン分泌量の低下
女性が抱えている膣のゆるみを改善するためにも、加齢以外の原因を1つずつ解説します。
出産
出産時にはどうしても膣壁が引き延ばされてしまい、引き延ばされた膣壁はある程度は元に戻りますが完全に戻ることはありません。他にも出産時に膣周りの骨盤底筋に負担が掛かることで膣周りの筋力低下につながります。出産後には膣圧が下がってしまうことは避けられないため、意識的にトレーニングをすることが大切です。出産後にもパートナーと性交をするためにも、体力が回復したら少しずつ骨盤底筋を鍛えるようにしましょう。
運動不足
膣のゆるみは運動不足による筋力不足が原因になっているケースが多く、下腹部と下半身を中心に筋トレなどをすれば解消に効果的です。締まりは主に膣圧が影響していると思われていますが、骨盤底筋以外の筋力も求められます。効果的に膣圧を高めていくためにも下腹部と下半身は、意識的にトレーニングしましょう。他にもダイエットやヒップアップの効果も期待できます。運動はいきなり強度の高いものをするのではなく、最初はウォーキングなど負担が少ないものから始めることがおすすめです。
性交の回数が減ること
性交の回数が減ることで膣を締める行為回数が減少するため、膣の締まりが徐々に弱くなっていきます。膣は締める行動によって、膣圧が高まっていくので性交回数が多ければ自然と締まりは良くなるでしょう。性交では男性を締めるよう動くことから、パートナーと相談して性交回数を増やすことも有効な手段です。
女性ホルモンの分泌量が低下し萎縮する
女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量低下は、膣がゆるむ原因です。エストロゲンは女性の生殖機能を支える重要な役割をもっているからです。
たとえば膣の壁や粘膜を健康に保つ作用では、膣の弾力性を維持し、しまりのある構造をキープしてくれます。しかし、エストロゲンの分泌量が低下すると弾力性が失われ、膣がゆるむ要因になります。
エストロゲンの分泌量は、20〜30代をピークに徐々に低下していきます。更年期以降はさらに分泌量が減少します。女性ホルモンの分泌量の減少は、膣がゆるむ原因であることを理解しておきましょう。
エストロゲンの減少によるゆるみは乾燥・萎縮に繋がり、性交痛を伴う場合も
エストロゲンが減少すると、ゆるみだけでなく、潤い不足を引き起こすため、行為中に乾燥している、膣が濡れない、ヒリヒリするといった性交痛の症状も見られます。また膣が萎縮し粘膜が薄くなり、行為中に出血が見られる場合もあります。
更年期・50代女性が膣のゆるみを放置するとどうなる?
更年期・50代が膣のゆるみを放置すると日常生活にも大きな影響が出るだけでなく、尿漏れやお湯漏れも頻繁に発生するようになります。また、放置している状態では膣のゆるみが解消される可能性はほとんどありません。意識的にトレーニングなどを取り入れて、骨盤底筋を中心にして鍛えることが大切です。
膣のゆるみの対処法
膣のゆるみを感じたら、婦人科などで膣圧を計測することができます。膣圧計というものがあり、圧力センサーがついた棒状の器具を膣のなかに入れ、いきむと数値が出ます。膣圧の計測は婦人科で1,000円以下で受けることができます。50代の人の膣のゆるさは加齢によるところが大きいですが、あきらめる必要はありません。世間には「膣トレ」といった言葉があるくらいで、力の回復は不可能ではありません。
骨盤エクササイズ
骨盤エクササイズで骨盤底筋を鍛えることで、膣周りの筋力が安定して身体の機能を正常に戻すことが可能です。さまざまな原因で骨盤底筋の筋力は弱くなっているため筋トレをすれば、全体的な安定感が高くなっていくでしょう。骨盤エクササイズによってバランスが安定すれば、姿勢が良くなったり、ヒップアップやダイエットができたりとメリットも大きいです。注意点としては無理をしない範囲でおこなうことであり、無理をして骨盤エクササイズを行うと怪我などにつながります。
膣をしめる
膣を締める動作を繰り返すことで骨盤底筋を鍛えることが可能であり、普段から意識して膣を締める動作を意識することがおすすめです。単純に意識して締めるだけでも効果があるので、自宅や職場などでも気軽におこなえます。空いている時間でできるだけでなく、自分が意識をすれば簡単なのも魅力です。特別な道具なども必要はないため、移動時間や家事の間などにおこなえます。
膣ボール
膣ボールは膣内に挿入して締めたりを繰り返して使用しますが、小さくて軽いものから大きく多いものまで幅広いラインナップがあります。最初は小さくて軽いものからトレーニングして、慣れてきたら段階的に大きくしていきましょう。膣ボールは膣内に挿入するため、使用した後には洗って衛生面は注意してください。また使用する際は、膣壁を傷つけないように潤滑ジェルなどと併用するのがおすすめです。
インティマレーザー
インティマレーザーは膣のゆるみや尿漏れ、性交痛、GSM、臓器脱、小陰唇のタイトニング、外陰部のホワイトニングなど様々な症状に対応できるレーザー機器です。
レーザーを照射することによりコラーゲンの密度が増え、膣の乾燥の治癒、若返りや引き締めに役立ちます。
他の膣引締めマシーンは膣内部(処女膜輪より内側)に照射するものが一般的でしたが、インティマレーザーは膣内部奥~膣開口部(処女膜輪外側)小陰唇にまで照射することが特徴です。
当院ではインティマレーザー指導医の資格を保有し、多くのクリニックに指導をしてきた院長がカウンセリングから施術を行います。
インティマレーザーについての詳細
ヴィーナスハイフ(膣ハイフ)
ヴィーナスハイフ(膣ハイフ)は、婦人科領域ではじめて「HIFU(ハイフ)」という技術を用いた膣壁をエイジングケアする膣縮小用医療機器です。
超音波を膣内にあてることでコラーゲンを活性化させ、弾力感や膣圧をアップさせることができます。
これまで手術でしか届かなかった筋層にまでエネルギーが到達するので、術後3週間程度から効果が見え始め、約1年から1年半と長い持続効果が期待できます。
また、麻酔も使用せずダウンタイムもほとんど見られないのですぐに普段通りの生活に戻ることが可能です。
ヴィーナスハイフ(膣ハイフ)の詳細
ヒアルロン酸
膣内にヒアルロン酸を注入することで膣壁に厚みを持たせて、施術前よりも膣内を狭くする方法になります。継続的にヒアルロン酸の注入をすれば、長期間にわたって膣壁に厚みを持たせることが可能です。ダウンタイムも短いことから短期間での注入もできますが、具体的な期間などは産婦人科などの専門家に相談しましょう。
まとめ
もし、更年期・50代の女性で膣のゆるみが気になる方は疑ってパートナーに尋ねてもよいのですが、それが難しい場合は婦人科クリニックに相談することができます。仮に、ゆるみがあったとしても落ち込む必要はありません。膣のしまりを取り戻す方法は、さまざまあります。大切なのは膣のゆるみが起きている原因について把握して、どうすれば膣のゆるみが改善できるか理解することです。
記事監修者
美容婦人科の先進国であるアメリカ、ビバリーヒルズにおいてレーザーによる膣の引き締め手術やレーザーを用いた女性器形成のライセンスを日本人女医として初めて習得。日本人向けに改良すると共に、より専門的に女性特有のお悩みを解決するため美容婦人科専門クリニックを開業。