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膣から空気が出て恥ずかしい「ちなら(膣なら)」とは
性行為中に膣から空気が出てしまい恥ずかしかった。
ヨガの最中におならのように膣から空気がでてしまい気まずかった。
このような経験はございませんでしょうか?
「おなら」と勘違いされがちなこの現象は、「ちなら(膣なら)」と呼ばれるものであり、「おなら」とは全くの別物です。正しくは「膣排気音」という名称であり、海外では「クイーフ現象」とも呼ばれます。
何らかの原因で膣がゆるみ、ゆるみによって広くなった膣内に空気が入ってしまい、その後何らかの衝撃で空気が膣から漏れてしまう生理現象です。
そのため出てくるのはただの空気であり、「おなら」とは全く異なります。
「ちなら(膣なら)」を経験している人は多い
この膣に空気が入る「ちなら」ですが、経験している人は多いことがわかっています。
イランの女性における「ちなら」を研究した論文では、調査した女性の内「ちなら」を経験した方は40.1%いたと報告されています。
つまり約2人に1人の女性が「ちなら」を経験しているため、「ちなら」を経験している人の割合としてはかなり多いことがわかります。
参照:Vaginal Flatus and the Associated Risk Factors in Iranian Women: A Main Research Article
膣に空気が入るタイミング
「ちなら」が出るのは膣に空気が入ることにより、溜まった空気が何らかの衝撃で外に出るためです。
ちならが起きやすいタイミングとしては、ヨガやピラティスといった運動時、仕事場で立ったり座ったりする際、また性行為時に多いようです。
ヨガなどの運動時に空気が入るのは、骨盤が高い位置に来るポーズをすることで、空気が膣内に入るためです。その後、お腹に力をいれるポーズや骨盤が低い位置に来るポーズをした際に、音を立てて空気が漏れ出てしまいます。
特にダウンドッグやショルダースタンドといったポーズではちならがでやすいため、注意が必要です。
また性行為時、激しいピストンをした際に、空気が入ることがあります。
なぜ膣に空気がはいる?
ではなぜ膣に空気が入るようになってしまうのか解説します。
更年期・閉経
更年期・閉経になるとエストロゲンという女性ホルモンが低下します。エストロゲンは、コラーゲンの生成を促進するため、このエストロゲンが減少することで、膣内のハリや潤いが減少します。これにより、膣内の壁が薄くなり、膣内の空洞部分が広がってしまいます。
これにより、腟内がゆるくなり、空気が入りやすくなります。また、エストロゲンが減少すると、膣内の菌のバランスも崩れるため、臭いを伴うガスが発生します。
骨盤底筋による膣圧の低下
骨盤底筋は骨盤の底から子宮や膀胱、直腸などの臓器を支えている筋肉の総称です。この骨盤底筋の弱体化が膣のゆるみに繋がり、空気が入る様になってしまいます。
骨盤底筋がゆるむ原因
骨盤底筋がゆるむ原因は様々です。それぞれ解説します。
加齢
加齢により筋肉が弱体化していくと同様に、骨盤底筋も弱体化していきます。
出産
妊娠中に胎児が大きくなるにつれて骨盤底筋に大きな負担がかかり、膣周辺の筋肉にダメージを受けます。さらに、経膣分娩により膣壁が大きく引き伸ばされるため、膣のゆるみが助長されます。出産後、しばらくすると徐々に縮んできますが完全に元に戻ることはありません。
運動不足
運動不足により他の筋肉と同様に骨盤底筋の筋力も低下します。
姿勢の悪さ
姿勢が悪いことも骨盤底筋の弱体化に繋がります。姿勢が悪いと、骨盤底筋を正しく使うことができず、筋力が衰えてしまうためです。
肥満体型
太りすぎて下腹部に脂肪がついてくると、骨盤底筋群に負担がかかり、筋肉が伸びてしまいます。これが膣のゆるみの原因になってしまうことがあります。
便秘・頻尿によるいきみ
排便の際はいきむために、腹圧が高くなります。特に便秘の場合、何度も強くいきむことが多くなりがちです。このことが原因で骨盤底筋に負担をかけ痛めてしまいます。
骨盤底筋の筋力低下は悪化するとさまざまな悩みに
骨盤底筋のゆるみはちならだけでなく、尿漏れ、お湯漏れ、不感症にも繋がります。
また筋肉の衰えによるゆるみは子宮脱という症状に繋がる可能性があります。子宮脱は子宮を支える筋肉がゆるみ、子宮の一部または全部が膣から脱出してしまう病気です。
この子宮脱ですが、実は女性の10人に1人が疾患を抱えている病気で、症状としては、出血、化膿、排尿障害などを引き起こします。
ゆるみの状態をチェックする方法は?
クリニックでは専用の医療機器を使って膣のゆるみを計測します。正確な計測方法なので、膣の締まり具合を客観的に判断したい方にも適しています。
すぐにチェックしたい方は、自分の指を使って膣のしまりをセルフチェックすることもできます。
自分の指を使って膣のしまりをセルフチェックする方法
以下のような手順で測定します。
- 手・膣・膣周辺を洗い清潔にする
- 体育座りをする
- 人差し指と中指をひっつけたまま、膣内に第二関節まで挿入する(※痛みを感じる場合はローションを使う)
- 指を軽く開く(※じゃんけんのチョキの状態)
- 指を軽く開いた状態のまま、膣をキュッと締めて膣圧レベルをチェックする
この際、指がどれくらい膣に締め付けられるかで膣圧レベルをチェックすることができます。
指標としては以下の5段階で測定します。みなさんは1~5番の何番に当てはまるでしょうか?
膣圧のレベル
2:弱いが収縮は可能
3:収縮は可能で下の方から包み込む感じがする
4:良好に収縮し抵抗を加えても収縮できる
5:強く収縮する
こちらはオックスフォードスケール※1と呼ばれるもので、骨盤底筋の収縮力を測定するものになります。
膣圧が最も弱いのはレベル1で、レベルが上がるほど膣圧が強くなり、レベル5の状態の膣が最も締まりのある膣です。ただしセルフチェックのため、客観性や正確性には欠けます。また膣を傷つける恐れもあるため、セルフチェックはあくまで自己責任で行ってください。
※1参照:Oxford Academic『Evaluation of Female Pelvic』
ゆるみの改善方法
膣に空気が入らないよう、膣のゆるみを改善する方法としては2つあります。
ヨガ
ヨガなどの膣トレによって膣のゆるみを改善することができます。
膣圧を上げるために話題になっているのが、ケーゲル体操です。
ケーゲル体操の方法は以下の通りです。
- おしっこを我慢しているときのように、膣や肛門にゆっくり力を入れて骨盤底筋を引き締めます。
- 5~15秒間、力を入れた状態を保ちます。
- その後ゆっくりと力を抜きます。
- 1~3を1セット4~5回繰り返します
呼吸は力を入れるときにゆっくり吸い、力を抜きながら、ゆっくりと吐いてください。
ケーゲル体操は、場所や姿勢を選ばずにできるので、隙間時間に気軽に行えるセルフケアです。
ちならを早く改善したい人はクリニックでの治療がおすすめ
膣トレは手軽に行なうことができますが、実際に効果をだすためには3ヶ月以上トレーニングを続ける必要があります。膣トレを続けるのが難しそう、という方は治療による改善もオススメです。
治療は様々な選択肢から自分にあった治療を選択することが重要です。このとき自分で判断するのではなく、必ず医師と相談し決めるようにしましょう。
一般的には外科的手術で膣を縫い縮める方法、膣縮小手術が最も効果的と言われますが、ゆるみの原因によっては手術を受けても、思ったような効果が得られなかったという場合もあります。
例えば膣内粘膜コラーゲンの減少が原因でゆるみを感じている方の場合、外科手術を行ってもコラーゲンが増えることはありません。
当院では患者様の多様な状態を解決できるよう、8種類以上の豊富な治療方法の中から、最適な治療を提案いたします。どの治療が自分にあっているか、膣の状態だけでなく、予算や、どれくらい早く効果を実感したいかなども加味してご提案させていただきます。
当院では膣の状態を細かくチェック
セルフチェックでは見ることができない詳細な部分までチェックし、膣の状態を確認します。
チェック項目
- 膣の弾力
- 帯下(おりもの)の分泌量
- 粘膜の強度
- 粘膜の色 etc.(上記などから膣の健康度合いをスコア化)
- 筋肉の動き
- 血流
- 尿道のぐらつき(尿漏れがある場合にはICIQ*1によるスコア化)
- Gスポットの感度
*1:International Consultation on Incontinence Questionnaire-Short Form(国際尿失禁会議質問票)
当院ではこのように詳細な項目で診察を行ない、患者様の膣の状態を理解します。平均とくらべ、どれだけゆるいのか、数値客観的にわかるため安心です。またゆるみだけでなく、膣の乾燥度合い、感度などさまざまな項目で膣の状態を知ることができます。
みどり美容クリニックはデリケートに特化したクリニックです
当院では女医である院長がカウンセリングから施術まで一貫して行います。患者様にあった治療をご提案させていただくため、まずは一度ご相談ください。
また膣に空気が入る、といった膣のゆるみの悩みだけでなく、性交痛、女性器の黒ずみなどもまとめて治療できるプランもございます。
プライバシーに徹底配慮し、完全予約制で患者様以外は誰もいない空間のため、安心してお越しください。まずはカウンセリング予約よりご連絡ください。
記事監修者
美容婦人科の先進国であるアメリカ、ビバリーヒルズにおいてレーザーによる膣の引き締め手術やレーザーを用いた女性器形成のライセンスを日本人女医として初めて習得。日本人向けに改良すると共に、より専門的に女性特有のお悩みを解決するため美容婦人科専門クリニックを開業。