「パートナーから膣のゆるみを指摘された」「性交時、前ほどの満足感が得られない原因は膣がゆるくなっているからでは」
このようなお悩みをお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。膣のゆるみは性交時の不満以外に日常生活においても影響があるため対策したいものです。この記事では膣がゆるむことで起こる影響や、その原因について解説しています。膣のゆるみが気になる方やその影響が心配な方はぜひご覧ください。
目次
膣のゆるみがもたらす影響
膣のゆるみは性交での不満や日常生活で支障がある場合など、様々な影響があります。具体的な影響は以下の通りです。
性交時の満足低下
膣のゆるみが原因で性交時の刺激が弱くなり、パートナーがら指摘を受けるかもしれません。自身も快感を得られず、場合によっては不感症になることも。もともと性交にはパートナーとの相性があるものです。しかし同じ相手で以前ほどの快感が得られないようであれば、ゆるみが原因で刺激が弱くなっているかもしれません。
もちろん性交には精神的なつながりも重要ですが、肉体的な不満足からパートナーと不仲にならないためにも、ゆるみの解決は大切です。
お湯漏れ
お湯もれは膣内に入った水やお湯が、膣から流れ出てくる症状です。通常は膣の締まりによってお湯が膣の内部へ侵入することはありません。しかし膣がしっかり締まっていない場合、膣内にお湯が入りこんでしまうことがあります。
例えば入浴後、立ち上がった時に膣からお湯が流れ出てくることがあります。また、お湯もれを放置しておくと今後尿もれが起きることもあるため、軽視せず対処しましょう。
尿漏れ(腹圧性尿失禁)
膣のゆるみは尿漏れ(腹圧性尿失禁)が起きることがあります。膣やぼうこうなどの内臓を支えている骨盤底筋が衰え、尿道やぼうこうの締まりが悪くなることが原因です。尿もれとは自分の意思とは無関係に尿が漏れてしまう状態で、くしゃみやせきなどの軽いいきみで漏れてしまうこともあります。
もともと女性の尿道は男性よりも短く、頻尿になりがちです。このような尿に関するトラブルは、睡眠や外出時などの障害となる場合があります。
骨盤臓器脱
膣がゆるむことの影響で骨盤臓器脱になることがあります。骨盤臓器脱とは子宮や膀胱などの臓器が膣口から飛び出してしまう症状のことで、骨盤底筋の衰えが原因です。特に子宮が飛び出すことを子宮脱と呼びます。
骨盤底筋は骨盤下部にあり、ぼうこうや子宮、直腸、腟などの内臓を支えている重要な筋肉です。骨盤臓器脱が起きた場合には手術による対処が必要です。通常、出産や加齢によることが多いですが、年齢の若い方でも稀に起こります。
膣なら
膣のゆるみによって膣ならが出ることがあります。膣ならは、膣のゆるみによって膣内部に空洞ができ、入り込んだ空気が膣外に排出される症状です。排出される際におならのように音が出る場合があります。膣ならは、おならと違い空気が排出されるだけでにおいはありません。
しかし静かな場所など、状況によっては恥ずかしい思いをすることもあるようです。膣ならは性交時において、性器の挿入などによっても起こります。
膣のゆるみの原因
膣のゆるみには生活環境や加齢などいくつもの要因があり、ひとつに特定することは難しいかもしれません。また、ゆるいと感じるかはパートナーとの相性にもよるため、パートナーに指摘された場合においても一概にゆるいとは言えません。
ゆるみの主な原因は以下の通りです。
加齢・老化によるゆるみ
加齢・老化によるゆるみの原因は膣粘膜のコラーゲンが減少した結果、膣の内壁の弾力が低下することです。コラーゲンは繊維状のタンパク質で、皮膚や骨などあらゆる組織を作る重要な成分であり、年齢と共に減少する傾向があります。
膣内の壁が薄くなり、ヒダがなくなっていくことで、膣内の空洞部分が広がることもゆるみの原因です。また加齢により筋力が弱くなることで、膣やぼうこうを締めることが難しくなりゆるみが起きます。
低用量ピルの長期服用によるゆるみ
低用量ピルを長期間服用している場合、低エストロゲンの状態になっている可能性があります。低エストロゲンの状態では、コラーゲンが減少し厚みのない膣壁になるため、空洞化が進み膣の奥がゆるいといった症状を引き起こします。
コラーゲンの減少が膣の萎縮を起こし、膣が切れる場合も
またコラーゲンが減少すると、ゆるみだけでなく、潤い不足を引き起こすため、行為中に乾燥している、ヒリヒリするといった性交痛の症状も見られます。更に膣粘膜が薄くなると膣の萎縮を引き起こし、切れやすくなるため、行為中に出血がみられる場合もあります。
よく若い方で、濡れなくて痛いのは、ゆるくて感じにくいからなのではないか、と不感症のお悩みで相談される方もいますが、原因は不感症ではないことも多く、ゆるい、濡れないといった掛け合わせの場合が多いです。
出産によるゆるみ
出産時のゆるみは、胎児に合わせ膣壁が伸びることで、膣が広がることが原因です。一度広がった場合でも、出産後にある程度までは戻ります。しかし完全に出産前の状態に戻ることはほとんどありません。
妊娠時には胎児の重みで骨盤底筋にも大きな負荷がかかります。また出産時に力がかかり伸びる、部分的に切れてしまうなど骨盤底筋が損傷を受けることがあり、これらもゆるみの原因です。
運動不足によるゆるみ
運動不足により骨盤底筋の筋力が低下するため、膣のゆるみの原因となる場合があります。骨盤底筋は膣やぼうこうなどを支える筋肉です。骨盤の下部にあり、尿道や膣などを引き締める役割も担っています。
骨盤底筋も筋肉である以上、運動していないと筋力低下してしまうため、トレーニングは効果的です。ただし骨盤底筋の中には意識的に動かすことができない部分もあるため、全てを鍛えることはできません。
肥満によるゆるみ
肥満も膣のゆるみに影響があります。肥満の場合、内臓脂肪の重みが加わり骨盤底筋に負担をかけてしまうからです。骨盤底筋は膣や尿道などを引き締める重要な筋肉であり、同時に内臓を支えています。
このため内臓脂肪で余計な負荷がかかり、骨盤底筋が伸びてしまうことで膣のゆるみとなります。
くしゃみ・せきによるゆるみ
くしゃみ・せきのいきみにより骨盤底筋がダメージを受け、ゆるみの原因となる場合があります。くしゃみ・せきは瞬間的に腹圧が高くなり、骨盤底筋にも大きな負荷がかかることが原因です。
特に花粉症などのアレルギーをお持ちの方は、くしゃみの回数が多くなりやすいため注意が必要です。
便秘によるゆるみ
排便の際はいきむために、腹圧が高くなります。特に便秘の場合、何度も強くいきむことが多くなりがちです。このことが原因で骨盤底筋に負担をかけ痛めてしまいます。
その結果、骨盤底筋による尿道や膣などの引き締めが弱くなり、膣のゆるみや尿もれなどの症状を引き起こします。また重いものを持ち上げる動作なども、腹圧が高くなり骨盤底筋に負担がかかりやすいため注意が必要です。
膣がゆるい場合の対策
膣がゆるい場合の対策はトレーニングによるものと、クリニックでの治療があります。
トレーニングで骨盤底筋を鍛える
膣のゆるみは、トレーニングで骨盤底筋を鍛えることによって改善できる場合があります。骨盤底筋は、ぼうこうや子宮、直腸などを支えており同時にぼうこうや膣の引き締めも担っています。
骨盤底筋の衰えは、膣のゆるみや尿漏れなどの症状を引き起こす原因です。骨盤底筋は筋肉であるため加齢や運動不足など様々な原因により衰えていきます。そこでトレーニングによって骨盤底筋を鍛えることで、膣の引き締め改善が期待できます。
ただし、骨盤底筋は様々な筋肉の集まりであり、全ての部分を自分の意思で動かすことはできません。このためトレーニングでの対策には限界があります。この場合、クリニックでの処方により改善できることがあります。
クリニックで治療する
膣のゆるみの原因のうち、骨盤底筋の衰えはある程度、トレーニングを行うことで改善が期待できます。しかし広がってしまった膣を狭くすることは自力ではできません。
このように膣そのものを狭くしたい場合やトレーニングで思うような効果が得られない、もしくは短期間で確実な効果を得たい場合にはクリニックでの診察、治療が効果的です。また過度に大きなものを膣に入れて筋肉が断裂してしまった場合には手術による対処が必要です。
当院では膣縮小手術を行っており、手術を行うことで膣のゆるみを根本的に解消でき、半永久的な効果を得られます。もしくはレーザーを照射することでコラーゲンの促進を促し、膣を引き締めるレーザー治療も行っており、自分に合った治療法で膣のゆるみを解消することが可能です。
まとめ
膣がゆるむことによる影響は性交時の満足度低下や骨盤臓器脱、お湯漏れや尿もれ、膣ならなど日常生活においても深刻な支障をきたす場合があります。その原因も加齢や肥満、運動不足やくしゃみ、便秘など実に様々です。
骨盤底筋の衰えが原因の場合は、トレーニングで筋力を鍛えることにより一定の改善が期待できます。しかし根本的な解決にはクリニックでの診察、治療が効果的です。当院は完全個室で他の方と会うこともなく、女性器専門医師である女性院長自ら診察からアフターケアまで一貫して治療を行うため安心です。お困りの際はぜひご相談ください。