性交痛の原因のひとつとして、ピルの影響が考えられることをご存じでしょうか?
「性交時に、入り口の痛みがある」
「挿入すると中が擦れて痛い」
20〜30代の若い方がこのような膣の違和感や性交痛を訴えるケースでは、長期的なピルの服用により膣が乾燥し、痛みを引き起こしている可能性があります。
そこで本記事では、低用量ピルが膣へ与える影響や萎縮性膣炎について解説するとともに、低用量ピルによる性交痛の改善法を紹介します。セルフケアからクリニックで受けられる治療まで紹介するので、自分に合ったケアを見つける参考にしてください。
施術担当
インティマレーザー、ウルトラヴェラを日本で初めて導入してきた美容婦人科のパイオニア。美容婦人科の先進国であるアメリカ、ビバリーヒルズにおいてレーザーによる膣の引き締め手術やレーザーを用いた女性器形成のライセンスを日本人女医として初めて習得。その後日本人向けに改良すると共に、より専門的に女性特有のお悩みを解決するため美容婦人科専門クリニックを東京に開業。
目次
若いのに感じる膣の違和感、それは低用量ピルの影響かもしれません
「膣の乾燥や痛みといったトラブルは更年期以降のもの」というイメージを持つ方も、多いのではないでしょうか?
しかし、実際は、膣の違和感で受診する20〜30代の若い方は少なくありません。多くの場合、性交時の擦れや痛みによって違和感に気づき、相談に来られます。
このような、若いのに感じる膣の違和感や性交痛の原因としては、低用量ピルの長期的な服用がひとつの要因として考えられます。長期間、低用量ピルを服用することで、体内で分泌されるエストロゲンの量が抑えられ、膣の潤いやハリが失われるケースがあるためです。
低用量ピルの副作用
低用量ピルとは、おもに以下の2つの女性ホルモンが配合された錠剤のことです。
- エストロゲン(卵胞ホルモン)
- プロゲステロン(黄体ホルモン)
低用量ピルにはこれらの女性ホルモンが含まれているため、服用すると脳が「卵巣から十分な卵胞ホルモンや黄体ホルモンが分泌されている」と勘違いし、体内で分泌される女性ホルモン量を抑える働きがあります。
これにより、排卵が起きず避妊効果を得られるほか、子宮内膜が厚くなることを抑制するため、月経痛といった月経トラブルの改善効果が期待されるのです。
一方で、低用量ピルを服用すると、体内の女性ホルモン量は本来よりも少ないレベルで維持されるため、体に悪影響を及ぼす場合もあります。長期間、ピルの服用を続けている方の体内は低エストロゲン状態になり、膣の乾燥・萎縮を起こしやすくなる可能性があるのです。
低エストロゲン状態では更年期と同じ膣の状態に
長期間にわたって低用量ピルを服用している方の中には、膣の粘膜が乾燥し、刺激に敏感になったり炎症を生じたりしている方がいます。このような膣の乾燥や炎症は、エストロゲンの分泌量が減少する更年期によくみられる症状です。
じつは、エストロゲンにはコラーゲンの生成を促し、細胞に潤いを与える作用があります。エストロゲンが十分に分泌されることで、皮膚や粘膜に弾力性を与え、健康的に保っているのです。
しかし、低用量ピルを長期間服用しているとエストロゲンの量が少ない状態が続き、エストロゲンが不足すると肌や粘膜のハリや潤いが失われ、乾燥してしまう場合があります。
さらに、膣の乾燥が進むと粘膜が薄くなって硬くなり、摩擦により切れて出血しやすくなる上に、萎縮性腟炎という病気に発展することもあります。
萎縮性腟炎とは
萎縮性膣炎とは、何らかの要因でエストロゲンの分泌量が減ることにより、膣が乾燥・萎縮し、炎症を起こす疾患のことです。
膣が乾燥すると粘膜が傷つきやすくなるだけでなく、雑菌が繁殖しやすい環境になります。そのため、乾燥が進むと、傷と雑菌により膣内で炎症が起こり、かゆみや黄色いおりもの、性交痛につながるのです。
萎縮性膣炎の引き金となる「エストロゲン分泌量の減少」の原因としては、閉経や卵巣の摘出、過度なダイエット、不規則な生活などが挙げられます。また、先述のとおり、低用量ピルの長期服用も低エストロゲン状態になる原因のひとつです。
萎縮性膣炎は更年期に多く見られる疾患ですが、無理なダイエットや過度なストレス、低用量ピルの服用などの影響により、20代といった若い世代でも発症する可能性があるため注意が必要です。
萎縮性腟炎の症状
萎縮性腟炎のおもな症状には、黄色いおりものや性器のにおい・性交痛などがあります。
- 膣のゆるみ
- 膣内の乾燥や違和感
- においや黄色いおりもの
- 腟や外陰部のかゆみ
- 性交痛
- 性交時の出血
このような症状がある場合は、萎縮性膣炎の可能性があります。気になる症状がありましたら、まずは専門の医師に相談してみましょう。
低用量ピルによる性交痛を改善するには?
低用量ピルによる性交痛を改善するには、いくつか方法があります。
- 低用量ピルをやめてみる
- 女性ホルモンが含まれたクリームの使用
- インティマレーザー
- 潤滑ゼリーの使用
それぞれ説明します。
低用量ピルをやめてみる
性交痛の原因として低用量ピルが影響している可能性がある場合は、一度、ピルの服用をやめてみるのもひとつの方法です。ただし、ピルの中断については主治医とよく相談して判断することをおすすめします。
子宮内膜症の治療や月経痛の緩和、避妊など、ピルの服用には理由があります。専門の医師に相談した上で、ピルを服用するメリット・デメリットをよく考慮し、他の治療法も合わせて検討しましょう。
女性ホルモンが含まれたクリームの使用
エストロゲンの減少による性交痛や膣の乾燥・萎縮の改善には、女性ホルモンが含まれたクリームを使う方法も有効です。膣内に直接クリームを塗ることで、粘膜から成分が吸収されて効果を発揮します。
クリームに含まれる成分は直接血管に吸収されるため、内服薬と比べて胃腸や肝臓への影響が少ないといわれています。ただし、卵胞ホルモンによって病状が悪化する可能性があるため、乳がんや子宮がんの方など、使用できない方もいます。処方を希望する場合は、婦人科で相談してみましょう。
インティマレーザー
膣の乾燥による性交痛には、インティマレーザーでの治療が効果的です。
インティマレーザーは膣のゆるみや尿漏れ、性交痛、GSM(閉経関連尿生殖器症候群)、臓器脱、小陰唇のタイトニング、外陰部のホワイトニングなど、さまざまな症状に対応できるレーザー機器です。
膣内に専用のレーザーを照射することで細胞を刺激し、コラーゲン生成を促して膣壁をふっくらさせる効果があります。
施術中はレーザーを60~65度にするので、部分的に少し熱さを感じる場合もありますが、ほぼ痛みはなく、治療後はすぐに日常生活を送れます。施術当日はシャワー浴をお願いしていますが、翌日から入浴も可能です。
当院は日本で初めてインティマレーザーを導入し、他院に指導を行っている実績があります。施術をご希望の場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
潤滑ゼリーの使用
潤滑ゼリーは、膣の潤い不足による性交痛を緩和させるアイテムで、挿入時の摩擦を減らし、性交時の痛みや不快感を軽減する効果があります。一般的なローションと異なり「粘膜用」に作られているため、膣内にも安心して使用できます。
中でも「リューブゼリー」は信頼性が高く、行政や医療機関などでも使用されている潤滑ゼリーです。無色透明でにおいもなく、コンドームと一緒に使用しても問題ありません。市販で手軽に手に入り、セルフケアとしてすぐに取り入れられます。
ただし、潤滑ゼリーは根本的な治療にはならないため、膣自体の機能を改善したい場合はインティマレーザーでの治療も検討するとよいでしょう。
お気軽にご相談ください。
当院はデリケートゾーンに特化した美容婦人科を日本で始めて導入したクリニックです。今では多くのクリニックで使われているインティマレーザー、ヴィーナスハイフも日本で始めて導入し、これまで多くのクリニックに治療方法を指導してきました。当院ではそのパイオニアである院長が一人ひとり、カウンセリングからアフターケアまですべて担当いたします。
また当院では他の人の目が気になる、恥ずかしい、という思いを減らすために、完全予約制でその時間は患者様一人だけの時間にしております。またビルに入っておりますので、バレる心配もございません。
ご予約は予約フォーム、お電話にて承っておりますので、是非お気軽にカウンセリングにお越しください。
施術担当
インティマレーザー、ウルトラヴェラを日本で初めて導入してきた美容婦人科のパイオニア。美容婦人科の先進国であるアメリカ、ビバリーヒルズにおいてレーザーによる膣の引き締め手術やレーザーを用いた女性器形成のライセンスを日本人女医として初めて習得。その後日本人向けに改良すると共に、より専門的に女性特有のお悩みを解決するため美容婦人科専門クリニックを東京に開業。