「私の膣はゆるい?」症状や原因、改善方法を女性医師が解説


膣のゆるみは女性特有の悩みです。「最近になって軽い尿漏れがある」「お風呂から上がる時に膣からお湯が出る感じがする」このような経験はありませんでしょうか。

本記事では、膣がゆるんでいる時にみられる症状や膣がゆるむ原因、治療方法を解説します。

目次

膣がゆるい時にみられる症状

膣のゆるみが気になっていても、膣がゆるんでいるかどうか自分で判断するのは難しいです。そこで最初に、膣がゆるんでいる時にみられる症状を解説します。

日常生活において以下のような症状がある場合は、膣がゆるんでいる可能性があります。

尿漏れ

尿漏れの種類はいくつかありますが、膣のゆるみが関係するのは腹圧性尿失禁です。尿が膀胱に溜まっても尿が漏れないのは、膣や尿道括約筋を収縮させる働きをもつ骨盤底筋が正確に機能しているからです。

骨盤底筋がゆるむと尿道括約筋が正常に機能しないため、重いものを持った時やくしゃみをした時に尿漏れが起こります。尿漏れは膣のゆるみと密接な関係があるため、尿漏れがある場合は膣がゆるんでいる可能性があります。

骨盤底筋とは

骨盤底筋は、子宮や膣、腸などを底面から支えている小さな筋肉の集まりのことを指します。自らの意思で動かせる「随意筋」と自律神経に支配され意図的には動かせない「不随意筋」が混在します。骨盤底筋の主な役割は、以下の通りです。

・子宮や膀胱、直腸などの骨盤内臓器を正常の位置に保つ
・体幹にある筋肉をサポートして腹圧を保つ
・排尿や排便のコントロールをすること

膣なら(ちなら)

膣ならは膣から空気が漏れる際に鳴る音のことです。膣がゆるみ膣内にスペースができると、空気が入り込みやすくなります。

膣に空気が入った状態で下腹部に力を入れると、膣からおならをした時のような音が出ます。頻繁に膣ならが出る方は、膣がゆるんでいるかもしれません。

性交の満足度低下

膣がゆるむことで挿入した際の密着度が低下し、性交時に物足りなさを感じることがあります。「挿入した時の感覚が以前とちがう」や「前と比べて感じにくくなった」このような場合は膣のゆるみが疑われます。

また、密着度が失われることでパートナーの満足度も低下する傾向にあるため、性行為の際にはパートナーの反応にも注意が必要です。パートナーの反応が以前と比べて悪い場合は、膣のゆるみが原因かもしれません。

お風呂上がりに膣からお湯が漏れる

本来であれば膣がしまっているため、湯船に入ってもお湯が入り込むことはありません。

しかし、膣がゆるむとお湯が膣内に入り込むため、立ち上がった際に膣からお湯が漏れ出ることがあります。入浴の他にも、プールから出たあとにも同じような症状がみられます。

骨盤臓器脱

骨盤臓器脱(こつばんぞうきだつ)は子宮や膀胱、直腸といった骨盤内にある臓器が外に出てくる病気です。股間に何か挟まっているような感覚や圧迫感があると骨盤臓器脱が疑われます。

骨盤内の臓器を正常な位置に保つ骨盤底筋の損傷やゆるみが原因とされています。日本国内の正確なデータは公表されていませんが、アメリカでは出産を経験した女性の約50%が骨盤臓器脱の症状があるといわれており、決してめずしい病気ではありません。

膣周辺に違和感がある場合は、骨盤底筋の異常による膣のゆるみや骨盤臓器脱の可能性が疑われます。

膣がゆるむ原因5選

膣がゆるむ原因は、年齢や生活スタイルが大きく影響してます。原因は主に以下の5つがあります。

加齢

年齢を重ねるにつれて女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が減少します。エストロゲンは、女性らしい体をつくるのに重要な働きをしています。

具体的には血管や骨、筋肉や肌の健康を保つ作用です。そのため、エストロゲンの分泌量が減少すると肌や筋肉のたるみと同じように膣のゆるみにも影響します。

運動不足

膣のゆるみに関係する骨盤底筋は、筋肉です。骨盤底筋も他の筋肉と同じように、運動習慣によって筋力の強弱が左右されます。

運動不足の人は、日頃からランニングや筋力トレーニングをしている人に比べて膣がゆるみやすい傾向にあります。

出産

出産は、赤ちゃんが産道を通る際に膣壁が大きく引き伸ばされるため膣がゆるむ原因になります。出産を終えるとある程度もとに戻りますが、完全に戻ることはありません。妊娠も骨盤や骨盤底筋に大きな負荷がかかるため、膣のゆるみの原因とされています。

肥満

脂肪が多いと骨盤や骨盤底筋に負荷がかかり、膣がゆるみやすくなります。また、脂肪の重みにより腹圧が常に高い状態にあるため、腹圧性尿失禁を併発する可能性があります。

便秘

かたい便を出そうとしていきむと、骨盤底筋が引き伸ばされ膣のゆるみに繋がります。便秘気味の方は生活習慣や食生活を見直す必要があるでしょう。

膣のゆるみを改善する方法

膣のゆるみを改善する方法は、大きく分けて2通りあります。

一つは自分で気軽にできる膣トレーニングです。そしてもう一つは、専門の医療機関で行う治療です。膣トレーニングはお金がかからず気軽にできるメリットがありますが、根本的な治療にはなりません。一方、専門の医療機関での治療は費用がかかるものの、根本的に改善できます。

膣トレーニング

膣トレーニングは、尿漏れや骨盤臓器脱の予防に関しては一定の効果が認められているものの、膣を引き締める効果を示した具体的な研究結果はありません。

骨盤底筋は、自分の意思で動かせる随意筋と自分の意思では動かせない不随意筋が混在しているため鍛えにくい部分でもあります。そのため、「膣のゆるみや尿漏れを予防する」という目的で取り入れてみるのが良いかもしれません。

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根本的に治療する2つの方法

膣のゆるみを根本的に改善するには、以下の2つの治療方法があります。

  1. 手術療法
    ゆるんだ膣を引き締める手術療法として、膣縮小手術があります。膣縮小手術は「膣壁形成術」とも言われるように、ゆるんだ膣壁を形成し直して、膣を引き締める手術方法です。ゆるんで広がった膣壁を奥の方から切開し、たるんだ筋肉を縫合して修復します。膣の奥の方から入り口にかけて引き締められるため、性行為満足度の向上や入浴後のお湯漏れ改善の効果が期待できます。ただし、膣縮小手術には注意点が一点あります。それは、膣壁の筋肉をきつく縫合するため経膣分娩ができなくなることです。そこで、出産のご予定がある方には機器を用いた治療を提案させていただくこともあります。
  2. 機器を用いた治療
    手術療法とはちがい切開や縫合をしないため、治療後出産のご予定がある方でも安心して治療を受けられます。また、メスを使用しないため痛みが苦手な方にもおすすめの治療方法です。機器を用いた治療は以下の6つがあります。

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注射を使用したフィラー注入の治療も

根本的治療ではありませんが、1〜2年間の効果持続と即効性が期待できる「フィラー注入」という治療法があります。膣内にヒアルロン酸を注入することで膣の引き締め効果を得られます。

膣のゆるみの治療にかかる時間と費用の目安

膣縮小手術と機器を用いた治療にかかる時間、費用の目安を解説します。

膣縮小手術

膣縮小手術の手術時間は約1〜2時間程度ですが、事前に診察や検査を受ける必要があります。局所麻酔とブロック麻酔、静脈麻酔を併用して行うため、入院する必要はありません。手術費用は保険適用外ですが、同時施術される場合は割引価格で施術を受けられます。
膣縮小治療について

インティマレーザー、ハイフなどのマシンによる治療

機器を用いた治療を受ける際も事前に診察や検査が必要ですが、クリニック滞在時間は約2時間程度を目安にしてください。治療にかかる費用は保険は適用されません。また、使用する機器により治療費が異なります。
機器による治療について

注射を使用した治療

当院では、膣内専用のヒアルロン注射であるオリジナルハイドロフィラーを取り扱っています。約1〜2年の持続効果があり、機器との組み合わせによりさらに効果が上がります。
ヒアルロン酸注入の特徴と費用について

まとめ

膣のゆるみは女性特有の悩みであり、相談しづらいデリケートな問題です。膣がゆるむことで日常生活やパートナーとの関係性にも影響がでる可能性があるため、根本的な治療を希望する場合には専門のクリニックでの治療が必要です。

当院では、専門の知識と技術を持った女性医師がカウンセリングからアフターケアまで一貫して担当します。「膣のゆるみが気になる」「一度相談してみたい」という方は、お気軽にご相談ください。


記事監修者

美容婦人科の先進国であるアメリカ、ビバリーヒルズにおいてレーザーによる膣の引き締め手術やレーザーを用いた女性器形成のライセンスを日本人女医として初めて習得。日本人向けに改良すると共に、より専門的に女性特有のお悩みを解決するため美容婦人科専門クリニックを開業。

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※当院の治療はすべて保険適用外となっています。


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