膣のしまりは、膣周辺の筋肉である骨盤底筋の力によって生じます。この筋力が落ちると膣の締まりが悪くなり、ゆるみの原因となります。
膣のゆるみは悪化すると日常生活や性行為時に支障が生じることがあるので、放置しないほうがよいでしょう。
また膣はトレーニングをすることで締まりを取り戻すことができます。
今回は膣の締まりが悪くなる原因、締りが良くなる改善方法を女医が解説します。治療が必要な場合も説明していますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
記事監修者
美容婦人科の先進国であるアメリカ、ビバリーヒルズにおいてレーザーによる膣の引き締め手術やレーザーを用いた女性器形成のライセンスを日本人女医として初めて習得。日本人向けに改良すると共に、より専門的に女性特有のお悩みを解決するため美容婦人科専門クリニックを開業。
目次
締まりが悪くなる原因は骨盤底筋の弱体化
まずは膣の締まりが悪くなる原因を理解しておきましょう。なぜ締まりが悪くなるのかを知っておけば、トレーニングを行う際も目的が理解でき、モチベーションを高めることが出来ます。
「締まりの良さ」は膣圧のことを指しており、どれくらいの強さで膣を締められるかどうかによって締まりの良さが決まります。一般的には膣圧が高ければ高いほど締まりが良いですが、締まりを良くするためには膣周りの筋肉である骨盤底筋を鍛えなければいけません。この骨盤底筋はハンモックのような形をしており、膣だけでなく、尿道や肛門を支える役割を持っています。
骨盤底筋は加齢や運動不足によりどんどん弱くなっていきます。
しかし骨盤底筋をトレーニングする方法は時間をかけずに簡単にできるものも多いです。そのため空き時間などを見つけて継続的にトレーニングに取り組みましょう。
骨盤底筋を鍛えるメリット
骨盤底筋を鍛えることは性交時の膣の締まりを良くするだけでなく、尿漏れやお風呂上がりに膣から水がでるお湯漏れの予防にもなります。
また骨盤底筋の弱体化が進行すると、子宮脱といった症状も引き起こされる可能性があります。
子宮脱は内臓器官が適切な場所に配置されていない状態です。座っていても違和感があったり、内臓器官にも負担がかかってしまったりします。
骨盤底筋を鍛えることは尿漏れ、お湯漏れの改善や、子宮脱を予防することにも繋がるため、しっかりトレーニングを行うようにしましょう。
自宅で簡単にできる締まりを良くする膣トレを紹介
膣のゆるみを改善する方法には、クリニックでの治療も選択肢としてありますが、重度でない場合はまずは自分で行えるトレーニングから取り組むと良いでしょう。
どうしても効果が感じられないなら治療をするなど段階を踏んで取り組むようにしましょう。注意点としては無理のない範囲でおこなうことです。最終的に身体の不調を招いては意味がないため、自分自身の体調などと相談しながら少しずつ進めましょう。
1.膣を「キュッ」とするケーゲル体操
最も定番の方法は膣を締める動作を繰り返す「ケーゲル体操」です。このケーゲル体操は肛門と膣を「キュッ」と締め、そのあと緩めることを繰り返す体操です。
立ったままでも、座ったままでも、どんな姿勢でも行うことができるため、空いている時間を見つけて、スキマ時間で鍛えることが出来ます。
どの姿勢でも効果は変わりませんが、基本的な姿勢は最もリラックスできる仰向けの姿勢です。
トレーニング方法
2:両足を肩幅程度に開く
3:おしりにキュッと力を入れ、骨盤底筋を締める
4:4秒間ほど維持した後ゆるませる
5:これを10回連続続ける
締める時間を少しずつ伸ばしていき最終的には10秒間できるまでやれるようにしましょう。
2.膣ボールを使ったトレーニング
膣ボールとは膣内に入れて使用するトレーニング器具です。
さまざまなサイズや重さのものが販売されていますが、初心者の場合は最初から大きいサイズのものを使用するのはおすすめできません。小さいサイズのもので軽いものからトレーニングを始めましょう。
また膣ボールは一度使用したら洗って清潔に保つようにしましょう。不衛生な状態で使用してしまうと炎症などの原因になります。
膣圧を計測するアプリも活用しよう
膣圧を計測するアプリは膣ボールと連動しているものが多く、実際に自分の膣圧について把握することでモチベーションにもつながります。
膣圧が高くなれば締まりも良くなっているので、パートナーとのセックスにも良い影響があるでしょう。
膣圧を計測するアプリは多くのものがあるため、自分自身と相性が良いものを選んで使用することが大切です。中には膣圧の履歴を記録してくれるものもあります。
3.下腹部を鍛える
膣は骨盤底筋を鍛えることで効果的に締まりを良くできますが、他にも腹筋などで下腹部全体を鍛えればさらに締まりが良くなるでしょう。
理由としては膣を締めるためには腹筋なども使用するので膣周りの筋肉を総合的に鍛えることが重要だからです。
下腹部は一般的な腹筋などで鍛えるなどの方法で問題ありません。器具などを使った方法もありますが、初心者の間は自重だけのトレーニングで十分でしょう。
3.下半身を鍛える
下半身も膣圧を強くするには大きく関係しているため、太ももや股関節を鍛えれば膣圧を高くするのに効果的といえます。
他にも下半身を鍛えることでヒップアップなどにも良い影響を与えてくれるのも嬉しい点です。
自宅でできる方法としてはスクワット、効果的にダイエットもしたいならランニングも組み合わせると良いでしょう。
【注意】挿入系トレーニングは潤滑ゼリーを使いましょう
膣に挿入するタイプのグッズを使って膣トレをするとき、衛生面に注意するのはもちろんのこと、グッズで膣を傷つけないようにしましょう。
必ず潤滑ゼリーなどを使って、膣の内側を保護してください。膣内が十分に濡れない場合には特に大事であり、挿入系トレーニングで膣壁を痛めてしまうと長期間トレーニングができなくなりますし、パートナーとのセックスもできなくなります。継続的なトレーニングを考えているなら膣を守るために適切なケアを行いましょう。
治療が必要なゆるみはどんな状態?
膣トレは、骨盤底筋といった筋肉のゆるみが原因で膣がゆるくなっている場合に効果的です。膣の粘膜が薄くなっており、膣の奥(内腔)が広がっている場合は膣トレでは改善しないこともあります。
この場合コラーゲンの減少により膣壁が薄くなっていることが原因のため、膣を囲んでいる筋肉を鍛えても、膣を締めることはできません。そういった場合は、クリニックでの治療が必要です。
当院での膣の引き締め治療
当院では膣のゆるみに対して、8種類以上の治療から患者様にあった治療を選択いたします。
膣縮小手術(外科的な治療)
ゆるみを根本的に解決したい方におすすめの「膣縮小手術」です。膣壁形成とも呼ばれており、会陰部や会陰小帯を切除し、粘膜を除去、膣粘膜や筋層を剥離して縫合することで、たるんだ筋肉を寄せて、膣のゆるみを改善する手術です。
根本から症状の解消ができ、その効果は半永久的です。
当院では次の2つの治療を行っています。
特にLVRはアメリカ、ビバリーヒルズで治療ライセンスを取得した院長だからこそ行える治療です。他クリニックでは行っていない場合も多いためご注意ください。
機器による治療(レーザー、ハイフなど)
機器による引き締めです。レーザーでの治療はレーザーを照射し、コラーゲンの促進を促し膣の引き締めをします。当院では5種の機器を取り揃えており、一人一人の膣のゆるみ具合によって提供する機器を変えています。
また当院では日本で初めて、ヴィーナスハイフ、インティマレーザーといった治療機器を導入してきました。そのため多くの治療実績があり、より患者様によりそった治療を行うことができます。
当院では次の5つの治療を行っています。
自分に合った治療法を選択することで早期に症状を改善することができます。
特に院長はインティマレーザー指導医の資格をもち、他のクリニックに指導、普及を行っているため、より効果的な治療を受けることが可能です。
ヒアルロン酸による治療
初めて膣の引き締め治療を行う方が選択することの多い治療です。膣にヒアルロン酸を入れることで、膣を狭くすることができます。入れた分だけ狭くなるため、すぐに効果を感じやすいことが特徴です。
当院ではヒアルロン酸に加えて、パールフィラーも取り扱っています。
- オリジナルハイドロフィラー
- プレミアムボリュームフィラー
- 韓国式パールフィラー
それぞれの治療はこちらのページで解説しておりますのでご確認ください。
ヒアルロン酸注入について詳しくみてみる
当院では感度をアップする治療も行っております
当院ではGショットという女性の性感帯の一つであるGスポットにヒアルロン酸を注入し、隆起を作ることによって女性自身の感度をアップさせる治療も行っています。
局所麻酔での処置になり、特殊な器械による簡単なお注射ですので、数分で処置は済みます。
ヒアルロン酸は時間とともに体内に吸収されていきますので、維持したい場合には半年程度あけて再度注入する必要があります。
治療は必ず診察を受けてから決めましょう
ヒアルロン酸の注入は他の治療と比べると安価であり、効果も出やすいため、初めて治療を受ける方が選択することも多い治療ですが注意が必要です。治療はまずご自身の膣の状態をしっかり把握することから始まります。膣の状態によっては効果がないこともあるため、自分だけで治療を決めてしまうと、効果が得られるまでに遠回りしてしまう患者様もいらっしゃいます。
まずはお気軽にご相談ください
膣トレは効果が出るまでに数ヶ月かかります。「膣のゆるみは膣トレで解消する」といった気合をもって臨んでみてください。膣のゆるみは性生活の快楽を減らしてしまうことがあります。膣トレでしまりを取り戻すことを考えているのであれば、クリニックに相談するのも1つの選択肢です。またかつてのように、自分もパートナーも満足できる性生活を取り戻せるはずです。自身が置かれている状況などに合わせて、適切なトレーニングや治療を行うようにしましょう。
記事監修者
美容婦人科の先進国であるアメリカ、ビバリーヒルズにおいてレーザーによる膣の引き締め手術やレーザーを用いた女性器形成のライセンスを日本人女医として初めて習得。日本人向けに改良すると共に、より専門的に女性特有のお悩みを解決するため美容婦人科専門クリニックを開業。