GSMと聞いてあまりピンとこない方もいらっしゃるかと思います。
GSMとは2014年にアメリカの学会が中心となって提唱した、閉経後の女性ホルモン低下に伴う、外陰部や膣の萎縮変化およびそれに伴う身体症状のことを指し、新しい概念として広まりつつあります。
日本語では閉経関連泌尿性器症候群と呼ばれていますが、この名前を知っている方は少ないことでしょう。
年齢を重ねると誰しもが経験する閉経。
その後のデリケートゾーンの変化は人によって様々です。
このページでは、
・GSMとはどのような症状のことなのか
・GSMの治療方法
を中心に解説していきます。
目次
このような症状はありませんか？
突然ですが、閉経後のデリケートゾーン周りでこのような症状を感じたことはありませんか？
膣の症状
- においがきつくなってきた
- 膣内の乾燥
- 膣のゆるみ
- おりものが増える
- 尿漏れが増えてきた
- カンジダ膣炎や細菌性膣炎に頻繁にかかるようになった
- 膀胱炎にかかりやすくなった
外陰部の症状
- においがきつくなってきた
- かゆみやヒリヒリを感じる
性行為の症状
- 性交痛がある
- 以前より濡れにくくなった
- 以前より感度が低下した
GSMでは上記のような症状が出てきます。
閉経後の女性の2人に1人が何らかの症状を引き起こしていると言われており、誰でもなる確率は非常に高いのです。
海外ではこうした症状を積極的に治療する方が多いのですが、日本では認知が少なく相談もなかなかできないので、放置されてしまうケースが非常に多いです。
GSMとは？
冒頭でも述べたように、GSMとは閉経後の女性ホルモン低下に伴う、外陰部や膣の萎縮変化およびそれに伴う身体症状のことを指し、日本では閉経関連泌尿性器症候群と言われています。
閉経後約3年で膣の乾燥を感じる方が多いと言われますが、閉経前に症状が出る方も半数以上いると言われます。特に最近では「性行為で魅力的でなくなった」と感じる方が増えています。
以前は老人性腟炎と言われており、「年齢だから仕方ないよね」と見過ごす方も多くいらっしゃいました。
しかし現在では治療法も発達しているので、年齢だからと諦めずまずはクリニックにてカウンセリングを受けることをおすすめしています。
次では、各症状の詳細と原因について解説していきます。
膣内の乾燥、ゆるみ
閉経後に女性ホルモンの分泌が低下し、膣の壁が薄くなることで、膣の乾燥・ゆるみや性交時の出血を引き起こしてしまいます。
普段はエストロゲンが膣粘膜を潤して丈夫にしているため、これが減少すると潤いがなくなり乾燥しやすくなるのはイメージがつきやすいかと思います。
また、通常膣内にはデーデルライン桿菌という菌が存在していて、細菌に感染しないような環境を作っています。
健康な方なら特になんともないのですが、GMSの方はこのデーデルライン桿菌が減少し膣内の自浄作用が働かなくなります。
そうなると、細菌に感染して臭いがきつくなってきたり、炎症を引き起こすこともあるのです。
また、乾燥の他に膣のゆるみを引き起こす場合があります。
これは骨盤底筋という骨盤の底に位置する筋肉が弱くなり、骨盤内にある膀胱や子宮、直腸などの臓器を正しい位置に保てなくなるからです。
これにより、膣のゆるみや尿漏れの症状が起きやすくなるのです。
特に腹圧性尿失禁と呼ばれる、くしゃみなどでお腹に力が入った時に尿漏れを引き起こす症状は産後の方は経験されることが多いのですが、閉経後にまた繰り返し発生する方が多い傾向にあります。
この他、尿道周囲の筋肉に柔軟性が無くなることによって、頻尿や尿が出づらい、切れが悪いなどの症状が出てくる場合もあります。
外陰部の乾燥・ひりつき
こちらも女性ホルモンの分泌が低下することで、外陰部(大陰唇・小陰唇)が萎縮してしまい、かゆみや乾燥を引き起こします。
対処せずに放っておくと痛みやひりつきが出てきてしまいます。
お手洗いで拭くだけでトイレットペーパーに血がついてしまうこともあるようです。
性交痛
以前は問題なく性行為ができていたのに、ある日から痛みを感じることが増えてくることがあります。
女性ホルモン低下の作用で膣内が濡れにくくなり、挿入時に摩擦を起こし痛みが生じるからです。
当院でも性交痛のお悩みを抱えた患者様はよくいらしており、「以前はできていたのに、痛くて入らない」と訴える方が大変増えています。
特に性行為の間隔が長く空いてしまい、久しぶりに性交渉がある際に初めて膣が硬く狭くなっている事に気が付く方もいらっしゃいます。
性交痛は精神的な問題と言われがちですが、閉経後における性交痛はGSMが原因の場合が多くを占めるのです。
GSMのセルフケア
GSMのセルフケアをご紹介します。
日頃からケアをしておくと、QOLも維持できるのでぜひ取り入れてみてください。
膣のゆるみ、尿漏れのセルフケア
膣のゆるみ、尿漏れのセルフケアとして、まずは骨盤底筋のトレーニングを行うのが良いでしょう。
体に余計な力は入れずに、肛門をきゅっと締めあげたり緩めたりを繰り返すだけでトレーニングになります。
ご自身だけだとトレーニングが難しい場合、クリニックで指導を受けるのも○。
正しい方法で確実にトレーニングをしていきましょう。
※当院では、（施術後のアフターケアを除き）トレーニングの指導は行っておりません。
また、膣内の乾燥や臭いのセルフケアとしては、デリケートゾーン専用の洗剤で優しく洗うことです。
臭いを取ろうとしてごしごし洗ってしまうと、かえって逆効果になります。
刺激の少ない洗剤を選ぶことで、乾燥・臭い対策につながるでしょう。
最近では臭いを気にしすぎて、膣内まで洗ってしまい、膣内の善玉菌まで洗い流してしまうことで返って臭いが強くなるという悪循環に陥っている方も少なくありません。
膣内は洗わず、専用洗剤で外側を優しく洗うだけに留めるようにしましょう。
外陰部の乾燥・ひりつき
外陰部の乾燥・ひりつきには、保湿が大切です。
デリケートゾーン専用の保湿剤で、外陰部や膣の入り口付近を優しく保湿します。
性交痛
上記で挙げたようなセルフケアを行っていれば、性交痛のセルフケアにもつながります。
もし、性行為中に痛みを感じるようなことがあれば、潤滑ゼリーを使うのが良いでしょう。
体に塗るローションとは違い、潤滑ゼリーは膣内に塗ることで自然な濡れ感を出すことができます。
ドラッグストアで簡単に入手することができ、用途によっても使い分けできるのでおすすめです。
※当院では潤滑ゼリーの販売は行っておりません。
当院のGSM治療
「セルフケアはしていたけど効果が出ない」、「GSMの症状が辛い」場合は我慢せずクリニックで治療を受けるのが最善です。
この場合婦人科ではなく女性器専門のクリニックだと、より専門的な治療をすることができます。
当院ではインティマレーザーを使ってGSMの治療を行います。
インティマレーザーは膣のゆるみ改善に使われるとご存じの方が多いようですが、GSM治療にも効果があります。
膣内に照射をすると、膣内の組織がコラーゲン繊維を造成し、密度が増え、膣の若返りや引き締め、乾燥の改善に影響を与えることができます。
モードを変えることで尿漏れにも作用することができ、ゆるみ・尿漏れをしっかり改善することができます。
また、同じインティマレーザーのレノバレイズという性交痛モードで膣内にレーザー照射をすることで性交痛の緩和が得られるという論文発表があります。
一般的なインティマレーザーのレノバレイズ（性交痛モード）にさらにNd:YAGレーザーを組み合わせた３Ｄタイトニングレーザーがさらに性交痛緩和に対して効果が高いというデータが出ており、1つの機器で様々な症状に対応することが可能です。
ただ、インティマレーザーは正しい温度設定・正しい照射をしないとかえって効果を失ってしまうこともあります。
当院では、インティマレーザー指導医である院長がお一人お一人の状態を確認しながら治療を進めていきますのでご安心ください。
GSMは治療が可能です
GSMは最近少しずつ広まってきましたが、まだまだ広まってほしい言葉の1つです。
今までは年だから、、、と諦めていた方も大勢いらっしゃいますが、一歩勇気を踏み出して治療やカウンセリングをしてみませんか？
相談しづらい・周りへ話題にしづらいことがあるかと思います。
そこで当院では、予約の時間内はその患者様だけというプライベートを最重視したクリニックになっております。
まずはお気軽にカウンセリングへいらしてください。
いろいろなお話しをお伺いし、最善の治療を行っていきましょう。
みどり美容クリニックではカウンセリングからアフターケアまで同じ医師が担当
みどり美容クリニック・広尾では、女性特有のお悩みを専門的に診療していることから、患者様同士がお顔を合わせることのないよう最大限の注意を払っております。
また、ご予約のお時間はその方だけの貸し切り予約となりますので、待っている方を気にすることなくゆっくりとお話しすることが可能です。
治療は当院の院長がカウンセリングからアフターケアまで一貫して行います。
途中で医師が変わるということもございませんので、安心して治療を受けていただくことができます。
女性器でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
みどり美容クリニック・広尾には、日本全国からデリケートゾーンにお悩みの多くの女性が来院されています。
一般の婦人科治療では治療が難しかった細かなデリケートゾーンのお悩みや、美容外科では網羅されなかった女性特有のお悩みを「美容婦人科」という専門的な視点から治療します。
カウンセリングからアフターケアまで一貫して女性院長が対応しております。専門的な視点から患者様お一人ずつに寄り添った治療をご提案いたします。
記事監修者
美容婦人科の先進国であるアメリカ、ビバリーヒルズにおいてレーザーによる膣の引き締め手術やレーザーを用いた女性器形成のライセンスを日本人女医として初めて習得。日本人向けに改良すると共に、より専門的に女性特有のお悩みを解決するため美容婦人科専門クリニックを開業。
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